
こんにちは。
ノア音楽教室の大岡史恵です。
前々回のブログ記事で、
発表会の際に5年と10年ピアノレッスンを続けた生徒さんを表彰していることを書きました。
➡ 2025.07.17.のブログ「表彰に込めるメッセージ」
いろいろな勉強会に参加したり、
ピアノの先生方から学ばせて頂いたりして、
当音楽教室でも取り入れさせていただくに至ったわけですが、
一方、わたしが子どもの頃習っていたピアノ教室では、表彰なんてものはなかったなぁ・・・
などと思い返しました。
そこから、ふと
ピアノを始めてから5年経った頃何を弾いていたかな…
そんなことを考えました。
年中の10月からピアノを始めたわたしは、
その1年と少し後の海外転勤、帰国を挟みながら
小学4年生の秋頃に、ピアノを始めてから5年を迎えたことになります。
ピアノを始めて最初の1~2年は超導入のテキストをやっていたわけですが
(バイエル上下巻、トンプソン、などなど)
それからの3~4年間というのは、
数年ごとに、『こどものソナチネ』が『ソナチネ』になり、2巻になったり『ソナタ』になったり
バッハが『こどものバッハ』から『インヴェンション』になり、『シンフォニア』になり『フランス組曲』になったり
ツェルニーが100番から『8小節のための練習曲』になり30番になったり40番になったり
・・・そんな変化はありながらも、
ソナチネ(またはソナタ)、バッハのインヴェンション、ツェルニー、ハノン
というお決まりの大して変わり映えのないテキストのセットで過ごしていた
(そしてその先何年も、多かれ少なかれ同じようなセットが続くことになる…)
そんな頃が、小学4年生でした。
その後、5,6年生の頃に、「ピアノを辞めたい病」にかかります。
女子の多くはピアノを習っていた時代でしたが、
その年頃になると周りの友だちたちから「ピアノを辞めた」という話がチラホラ聞こえてきて
なんだか自分も同じようにしたくなっちゃったのです(笑)。
母親に伝えたのですが、なぜだか
「あらそう~」
とスルーされたままで、
辞めるきっかけを失ったまま中学生になりました。
中学生をやっているうちに、気づけばピアノを継続している人がクラスで数名になっており、
今さら辞めるのはもったいないかも、
という「もったいない根性」のみで、結果的に今に至っています(笑)。
わたしはかなり大きく(大人)になるまで、
自分がピアノが好きということに気づいていなかったフシがあるのですが
(珍しいタイプなのかもしれませんね、笑)
それだけに、あの頃に辞めていなくて本当に良かったな、
と今では心の底から思います。
「ピアノ辞めたい病」にかかっていた頃は、まさにピアノを始めて6年ちょっとの頃だったわけですが、
「5年もピアノを習っていたからもういいかな」
とあの頃辞めていたら、
もちろん今のわたしはありません。
でも、そんなことではなくて、
「音楽っていいなぁ」
「音楽する人たちっていいなぁ」
と心から実感することもないまま
なんとなく「自分はピアノを弾けてた」という気分で終わっていたと思うのです
(今振り返ってみると、全然弾けてなかったし、笑)。
あんな曲やこんな曲に出会ったのも、大人になってからですし
子ども時代に淡々と弾いてきた曲たちが、なんと美しい曲だったのだろう!
と気づいたのも、大人になってからです。
ピアノの先生になった今、
「音楽で人生を豊かに。そのお手伝いをできれば」
と思って日々ピアノレッスンをさせていただいていますが、
実のところ、わたし自身がそれを実感しているのは、
わりと最近のことなのです。
これはあくまでも私の場合にすぎないですし、
めったいない鈍さなのかもしれませんが(笑)。
それと。
習い事としてテキストが進むのがただ励みでやっていた子どもの頃と
思春期に、外界のあれこれをシャットアウトしたくてピアノの前に座って居た時間と
(とはいえ、傍らにはファッション誌の『Olive』があったりして、まったくピアノに集中してはいなかったけれど、笑)
もちろん音大生として一曲に向ききあった時間と
大人になって完全に自分の意志で曲を選んで弾いたり
昔弾いた曲をポロリポロリと弾いたりする時間とは
ピアノとの親密度がまったく(!!)違います。
どれがいい・悪いではないですけれども、
わたしは、今が一番いいなぁと思う日々です。
今日のブログは、なんだか散漫になってしまいました。
お読みくださりありがとうございました。